｢苦いのテーマ｣のレビュー・感想

以前に読んで、
「あ。これ、苦しい。駄目・・・。」
と、思いつつ、時を置いて何度も再読していました。
半身とまで思っている大事なヒトがいるのに、
どうしようもなく惹かれて欲しい人が出来てしまって、
その背徳感に苦しむ、けれど離れられないなっちゃんの、
行くところまで行かなければどうにもならなかった気持ちが、
痛くて苦しくて。。。そう思うのは今回も変わらず。
でも、新との再出発を、
今回は心から祝福できる気持ちになりました。
ある意味、禁断に踏み込んだ、深いお話です。

BLってNTRを毛嫌いする人が多くてなかなか出会えない。同人誌なら比較的見るけど、ギャグみたいに下品な展開なこもも多い。
商業誌ゆえ、この作家さんゆえのしっかりとしたストーリーで、心がズキッとくる良いNTRでした。

愛が深くて憎が酷い場面ありますが、軽やかで読みやすいです。苦いっていうか、若いから各方面へ血気盛ん。

ちょっと辛い……2人のその後が気になる。。。

身体とか気持ちとか距離とか、それぞれが共に過ごした時間とか、まさに｢苦い｣がテーマだった。でも最後は甘かった。いや、甘酸っぱかった。ホント救われた。初恋の頃を思い出して、大人になった2人が素敵だった。

ほんと、苦いのテーマ。
ぎゅーっと苦しくなるし、こんなこと起きたらこんなんなるかも…と男女間でも男男間でも女女間でも、兎に角疑似体験できます。また、先輩が漢なんだよなぁ…潔いし、健気だから。作者さんどうか彼もハッピーエンドにしてあげて。

なっちゃんがアラタを、大好きで大事なのはとてもとてもわかるから、どうしてそういう事始めちゃったのか、そしてどうして1回で終われなかったのか、どうして”一瞬忘れた”ってひどいこと言えたのか。
どうして。
どうして。
どうして。

なっちゃんが根はビッチじゃないから、信じてたなっちゃんに見せつけられたアラタも可哀想。なっちゃんも同じく可哀想。

で・も。
私がアラタだったらお灸はもう少しあるかなー。
殴るのはよくないが、アラタは、離れてから待っててよかったのではと思う。
アレだけなっちゃんはアラタが大事だと心の底から思い知ったのだから、「会いたい」はなっちゃんから言わなきゃ。

もう〜、アラタは辛抱ないんだから。
優しい2人でよかった。(●´ω｀ ●)

　

大大満足！！