どんな場所でも偶然が重なれば起きてしまいかねないと思わせるような重たく暗い物語だ。
たった1人の人間が抱く現代の倫理観年を逸脱した思想が何人もの人間の人生を狂わせる。犯罪とは、刑期とは、保護司とは、人の善意とは、色々な事を考えさせられる。
主人公であるイチジク農家の男性が、自分の家族と村を守る為に勇気ある振舞いをする。それは素晴らしい心意気であり、また、主人公の幼馴染であり親友でもある男性も同様の心意気で事件を受け止める。この2人の根性の座り方が見えるラストはやるせない。
(余談だが、この作品は映画化され、シナリオも手を加えられ、主人公と親友の関係が改変されてしまう。個人的に残念であった)
3巻で終わる短い話であり、終わり方も少々急ぎ足ではあったが、様々な側面からよく出来た作品だったとおもう。読めてよかった。
漫画作品について誰かに聞かれたらオススメしたくなる。ついで映画作品については全く別物として、かつ、事前にレビューを調べてから視聴する事をオススメしたい。