小姓組直下の御膳奉行・矢背蔵人介は
将軍・徳川家慶の毒味役「鬼役」を務めている。
そして裏の役目として小姓組番頭・橘右近から命を受け
白洲で裁けぬ悪を闇に葬る暗殺役も担っていた───。
『一手指南に訪れた男こそ、両親の仇である』
「練兵館」の門弟・益戸寛次郎の話を聞いた卯三郎は
仇討ちに燃える寛次郎とともに疑惑の男の正体を探りはじめた。
調べを進める中で男が過去に起こした新たな凶事をつかむが
それらが遠山景元から蔵人介へ依頼した“厄介事”に
繋がっていることなど知る由もなく────
☆「鬼やんま」ほか、全六編を収録!!