追憶の一冊
その昔。
オスカル様愛から始まって、
彼女に酷似したヴィジュアルのユリウスも愛したかったのだけど、
連載途中で離脱した過去があり
(ストーリーの底知れない展開が難しくて!という理由で。)、
それからずっと、このお話の顛末が気になっていました。
このたび、全巻無料一気読みで、
数十年来の願望を果たせ、まずはやりきった感。
細密美麗な画ありきに、
史実・史観もしっかりしている骨太のストーリー。
さすが池田理代子先生でした。
でも・・・。
終幕の読後、何だかとっても寂しい。辛い。
胸が痛いのです・・・。
お話のプロローグで、
『オルフェウスの窓』の悲劇性が提示されていたとはいえ、
こんな結末を望んでいたわけではなかった。
この結末を、納得できる読者がどれだけいるのでしょうか?
いや。
他人の事はともあれ、私は、
無力感のような感情が押し寄せて来て脱力しています。
素晴らしいお話だとは思いますが、
精神的に大変疲弊してしまったので、
再読は出来そうにありません。
私にとってはいっそ、
永遠に開けない方が良かったパンドラの匣でした。