螢(ほたる)のアパートの隣人は同じ大学の彫刻科の下田游一、愛犬・日の丸と暮らす心優しい男だ。螢はミナト以外の他人に初めて惹かれるが、游一には胸に秘めた女性がいた。一方、螢とミナトの恋は母の知るところとなり、ミナトは金沢に連れ戻されてしまう。残された螢はミナトへの想いを振りきって、人生を変えることを決心する。そして螢は学校をやめ、プロのモデルとなり、髪を切った…。吉野朔実が紡ぐスウィートでビターな愛の物語、第2巻。詳細
アデル通報4.0切ない物語90年代のぶ~けを代表する作家だった吉野さん。細く流麗な線で描かれるタッチと文学的なストーリーが魅力的でした。代表作であるこちらは双子の兄と妹が愛し合ってるという設定がスキャンダラスでそこだけクローズアップされがちですが実際はヒロインの成長と自活の物語です。今振り返ると女性の社会進出が盛んに謳われていたいた時代を感じさせて面白いです。自分のもとを離れてどんどん強く、魅力的になる妹(女)をどうしても認められない、成長できない兄(男)っていう図式も面白いです。最後が悲劇的だけどとても美しいお話です。2020/11/30いいね(1)