滅しゆく身体の変化。ほのかな生命のゆらぎ。若き日に死線を彷徨った作家は、生涯を通して生と死を見つめ続けた。円熟の晩年を迎え、その静謐な目は何をとらえたか。短篇小説の名手でもあった吉村昭が昭和後期から平成一八年までに著した、遺作「死顔」を含む一六篇。〈編者解説〉池上冬樹
※収録作品
船長泣く
雲母の柵
花曇り
手 鏡
花 火
法師蝉
寒牡丹
桜まつり
観覧車
西 瓜
自 殺――獣医(その一)
心 中――獣医(その二)
遠い幻影
聖 歌
見えない橋
死 顔
花火 吉村昭後期短篇集
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