「それで……旦那さま? 何をご覧になられたのです? わたくし、興味がありますわ。あなた様をそんなに切なくさせる記憶は、一体どんなものなのかと……」 死者は少しずつ思い出していた。ただ見届けることしか出来なかった悲劇の数々――ローズ家の兄妹や、獣の心を持つ男の末路――を。そして新たに導かれた扉の先に、一人の美しい花嫁と、それを迎え入れた男が居た。彼らもまた一つの時代、この館に住みそして……。悲劇を生むこの館とは何なのか? 貴方は真実へとまた一歩近づく。謎の館で巻き起こる時代を超えたゴシック浪漫サスペンス第2巻! ※電子版は文庫版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください