身体に蛇のうろこのアザを持つしずお。そのしずおを吊るして、今日もおばあちゃん母の止まらない折檻が始まる。「教えて、おばあちゃん!どうしたら、前のようにぼくを抱きしめてくれるの?」夫の裏切りで、母から女の顔になったおばあちゃんに、しずおの叫びはもう届かない。「ヘビじゃないよ」とも「可愛いしずおや」とも言ってくれない。そんな時、しずおの蛇のさまに興味を持っていた庄屋の娘、お香が覗きに来る。「可愛いじゃないの」思わずもれたお香のその言葉に、吊るされたしずおは希望を見つけた。それは、どこに向かう希望だったのか。しずおの求めたぬくもりの愛憎が止まらない。