奉公先のお嬢様のドレスを持ち出しては鹿鳴館に通う、美貌の娘ルイ子。しかし、心は醜く腐っている。銀座で一番のパンを、ぬかるみの足場にするような娘だったのだ。さてルイ子は、お金持ちからのプロポーズを夢見て、鹿鳴館で男性を値踏みしながら、ひとりに狙いをつけた。ところが、宗方男爵というその男性は、なんと奉公先のお嬢様の婚約者だった。この偶然にルイ子はほくそ笑む。さえないお嬢様より、この美しい自分を選ぶに決まっているから。案の定、ふたりっきりの屋敷の廊下で「目をつぶってごらん」と言う男爵に、唇を尖らせて告白を待つルイ子。しかし、男爵の次の言葉は、ルイ子の怒りをえぐった。

