理野は松江の蒔絵師の娘だ。
文政5年、蒔絵修行の兄と共に江戸に出る。ところが、兄が突然、原羊遊斎の工房で倒れ、亡くなった。
理野は女蒔絵師として、下絵職人から、羊遊斎の工房で働き、才能が開花する。
新しい美をもとめ、葛藤しながら、女の情念を込めた独自の蒔絵を完成させるために、理野は人生の全てを蒔絵に注ぐ……。
酒井抱一、鈴木其一など、実在の人物を絡めて、やるせない恋心と職人魂、潔い女の佇まい、文政の美術工芸の世界を描く。
既刊(1巻 最新刊)
麗しき花実
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