「雨月」――俊一が長いこと大事に構想をあたため続けていたニューアルバムのレコーディングが、いよいよ始まろうとしていた。 矢代俊一グループだけでなく数々のゲストを迎えての、アルバムの録音は湖畔の音楽スタジオに泊まり込んで、じっくり時間をかけて制作されることになっている。 夕闇の迫る中、ホテルに到着した一行だったが、俊一は、父から建物への不穏な懸念を聞かされる。正体不明の視線、入ろうとしても阻まれる入口、無人で水の流れ続ける部屋――次々と俊一たちを襲う怪奇現象の顛末は……！？ 未完。

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