あらすじ乱暴者が医者になり、聡明な孤児が奉行所与力の養子となった―― 栄三が導く若者たちの刻苦と成長 人情時代小説シリーズ第11弾! かつて町のやくざ者だった捨吉は、栄三郎の“取次”により、今や立派な医者見習いとなっていた。 ところが医者の土屋弘庵は、弟子の空元気を見抜いていた。どうやら近頃、捨吉が出会った四十絡みの堅気に見えぬ女性が、幼少の捨吉を捨てた母親であったらしいのだ。 捨吉の荒くれた心が戻らないか心配した栄三郎は、断絶した母と子の絆を結び直そうと試みるが……?