地中海世界の歴史7 平和と繁栄の宿命 パクス・ローマーナ

既刊(1-6巻)

地中海世界の歴史7 平和と繁栄の宿命 パクス・ローマーナ

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2,150
一人の歴史家の視点で古代地中海文明の4000年を描く全8巻シリーズ、好評第7巻。講談社選書メチエ創刊30周年特別企画。 暴君ネロの没後、混乱を収拾して帝位についたウェスパシアヌスは、平凡な家柄の武骨な軍人だったが、元老院とたくみに折り合う節約家で、権力も国家財政も安定を取り戻し、ローマの巨大闘技場コロッセオの建設にも着手した。しかし息子のドミティアヌス帝は恐怖政治の果てに暗殺され、悪帝の評価を残す。 次のネルウァ帝に始まる80年こそ、18世紀の歴史家・ギボンが「人類至福の時代」と称賛した「五賢帝時代」である。2人目のトラヤヌス帝は帝国史上最大の版図を実現し、3人目のハドリアヌス帝はブリテン島からイベリア半島、アフリカ、シリアまで帝国内を旅して皇帝の威光を示した。しかし、5人目のマルクス・アウレリウス帝は『自省録』(講談社学術文庫)を著した「哲人皇帝」として知られるが、治世の最後に大きな過ちをおかしてしまう。 また、「ローマの平和(パクス・ローマーナ)」の陰には不安な薄闇が広がっていた。人々は「パンとサーカス」に浮かれながらも漠然とした罪障感にとらわれ、ヘレニズムの波のなかに生まれたイシス信仰やミトラス教、そしてキリスト教などの宗教に救済を願い始める。 さらに、プリニウスの『博物誌』の世界、奴隷制社会の「捨て子問題」、スペインのローマ遺跡探訪など、爛熟期のローマ社会を多角的に描く。 はじめに:あるイギリス人がみたローマ帝国 第一章 新興家系の皇帝たち 1 気取らない男、ウェスパシアヌス 2 プリニウス『博物誌』の視野 3 皇帝となった兄弟の明暗 4 奴隷と捨て子の社会史 第二章 比類なき賢帝と最大の過ち 1 「至福の時代」の五人 2 哲人の実子の乱行 3 大浴場と愚帝の時代 第三章 薄闇に生きる人々の願望 1 「パンとサーカス」の恩恵と栄誉 2 ポンペイを彩る神々 3 ローマ人とユダヤ人の信仰 4 キリスト教の登場 第四章 「旅する皇帝」と辺境のローマ 1 「属州」とは何か 2 ガリアからブリタニアへ 3 属州ヒスパニアの歴史 4 スペインのローマ遺跡を歩く 5 シリア、ギリシア、エジプトへ おわりに:ローマ史とアメリカ史の交差点 参考文献 索引
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