弱き者、配下を思う人情家。
着流し姿で街を歩きながら、悪の芽を摘み、
平穏な営みを守り育てる。
火盗改・中山伊織に追われる閻魔の藤兵衛は、小伝馬町の油問屋・近江屋を狙っていた。
だが、店に潜入し一味を引き込む役の手下が、刺青の傷が因で瀕死となる。さらに、盗んだ金でお園という女郎を身請けしたことも発覚。精緻な計画は綻びを見せはじめる。
破滅を予感しながら藤兵衛もまた、内腿に蜘蛛の刺青のあるお園に惹かれていき……。
迫力の筆致で描く傑作捕物帳。
【『女郎蜘蛛』改題作品】
火盗改・中山伊織<一> 女郎蜘蛛(下)
通知管理を見る
まだレビューはありません。