天涯孤独の身の上の少女、結衣。どこに行っても自分の居場所がないように感じられ、寂寥感を抱いていた。彼女の唯一の楽しみは、暮らしている施設の近くにあるバラ園に行くこと。いつものように結衣がバラ園で過ごしていると、ひとりの美しい男が結衣の前に現れ、いきなり口付けをした。「見つけた」そう囁くと、直後、彼は結衣の首筋に噛み付いたのだった―これは孤独な少女が、美しい吸血鬼の執着に絡めとられ、囲われて堕ちる話。「バラが好きなところは変わっていないんだね、嬉しい」―――私は彼のことを知らないのに、彼は知っていた。<キャラ紹介>結衣学生。少し浮世離れした雰囲気をまとっている。孤児であり施設で育つ。いじめられているわけではないが心を許せる人はどこにもいない。昔からバラが好きで、施設の近くの小さなバラ園で過ごすことが多い。何か大切なことを忘れてしまっているような気がするが、思い出せないでいる。ミラン結衣に執着している吸血鬼、見た目は20歳半ばの美丈夫。ある日、バラ園で結衣を捕らえ、監禁する。優しく、甲斐甲斐しく世話を焼いてくれるが、やや話が通じない。結衣がいればそれでいいし、結衣にも自分がいればそれでいいと思っている。