町を騒がす盗賊一味を狐面の四人の男たちが音もなく眠らせる!屈指の廻船問屋《井筒屋》が、盗賊に皆殺しの目に遭う。一人息子と手代が生き延び、目立たぬ小間物屋を開くが、闇に紛れる彼らの正体は?見事な連携で金箱を積んだ荷車を引く黒装東の男たちが、不意にバタバタと倒れ込んだ。一瞬後、同じ黒装束に夜市で売られる狐の面をつけた四人の男たちが現れ、引き手のいない荷車を誘導しつつ闇に消えていった。《唐狐》の仕業だった。盗賊に両親と奉公人を皆殺しにされ、生き残った廻船問屋の一人息子と手代が、小間物屋を表稼業に、新手の盗っ人稼業に手を染めたのだ。