霧谷アリサ先輩はウチのゼミきっての才媛だ。無口で一途に研究を進めるお姿は一輪の花、しかも彼女の論文は学会誌での評価も高いらしい。いっぽうの俺は、デカチンが取柄ぐらいの冴えない大学生。来週末が論文の締め切りだというのに資料が足りない。「教授 このレジュメ だれが書いたんですか?」と指導教授に相談すると「おーい霧谷君 君の本見たいって」と先輩に回された。「この文献 家に原本もあるけど見たいか?」とアリサ先輩。ハイと応えると「じゃあ…準備に一日かかるから明後日でいいな」「それとな 協力する代わりに一つお願いがあるんだがいいか?」え、準備って? お願いって?と思いながらも、「あ わかりました」と俺。し、しかし、アリサ先輩の家は辺ぴあって、着くだけで遅くなってしまった。しかも家に着くと、すっごいおもてなしが待っていた。そして、霧谷先輩のお願いとは…。