【民主主義の後退、権威主義統治モデルの変容、中国モデルの普遍性】社会の分断やポピュリズムの台頭、偽情報の氾濫などで有効性が疑問視される民主主義。世論操作などによってますます巧妙になっている権威主義体制の統治――。本書はインド太平洋地域における政治経済体制の現状と課題を、民主主義と権威主義のせめぎ合いとして位置づけて分析。アジアにおける民主主義の後退、権威主義の統治モデルの変容、中国モデルの普遍性を論じ、中国の香港統治スタイルを学ぶタイ、民主主義の劣化と政治の安定が共存するインドネシア、民主主義国家としての存在感を保つフィリピンなど、各国での権威主義と民主主義のせめぎ合いの現状を解明する。【目次】序 章 インド太平洋地域の比較体制(國分良成)第1章 アジアにおける民主主義の後退(粕谷祐子)第2章 変貌する権威主義の統治モデル(東島雅昌)第3章 中国の自己認識(山口信治)第4章 インド太平洋で広がる中国発デジタル技術(山田周平)第5章 韓国政治の分極化と北朝鮮の体制再構築(伊集院敦)第6章 プラボウォ政権下のインドネシア(本名純)第7章 タイの権威主義化と中国の影響(外山文子)第8章 独裁を経た民主主義、試されるフィリピン(遠西俊洋)第9章 ベトナムの「多元的」一党独裁制の行方(石塚二葉)第10章 インド・モディ政権の「ヒンズー政治」(山田剛)第11章 日本モデルはあるか 明治以来の4つの政治体制(五百旗頭薫)