上杉謙信と、その妻・於龍「奇妙(クィア)」なふたりは憎悪も、愛情も、超えてゆく!大藪春彦賞受賞後第一作謙信の妻を描く、初の歴史小説「抗え、戦え、歩みを止めるな。かつても今も在り続ける魂の叫びに寄り添う物語」澤田瞳子、推薦父から越後守護代を奪った長尾景虎(後の上杉謙信)への復讐のため、母から“女”を捨てさせられた於龍。彼女は景虎を激しく憎むが、当人はどこ吹く風で、於龍のことを「面白(おもしょ)い奴」と気に入ってしまう。長尾の重臣たちが二人の婚姻を越後支配のために利用する一方で、甲斐の武田晴信(後の信玄)は隣国侵攻の調略を始めようとしていた――。史料を丹念に読み解き最新研究を踏まえ、生涯独身と言われてきた上杉謙信と、その妻の半生を鮮やかに描く。謙信の妻・於龍は、どんな女性だったのか?そしてなぜ、歴史の陰に消えたのか?装幀 二見亜矢子装画 とびはち