あらすじ日向菜月は、飛行機の音にふれた瞬間、胸の奥に“自分ではない誰か”の感情が流れ込んでくるのを感じた。元木修一もまた、“知らない自分”の記憶に心を揺さぶられる。菜月は高校三年生。修一は高校一年生。二人の前世は、戦時中に夫婦だった初江と菊一郎。──18歳で命を絶った初江と、特攻隊員として死ぬはずが機体故障で生き延び、初江の死を知った男、菊一郎。時を越え、現代に生まれ変わったふたり。かつての記憶と青春が交差する今、運命の歯車が再び動き出す──。