『SとM』で知られる村生ミオが少年誌時代に手がけた意欲作『神の子』偉大な父を持つことに悩みながらも、野球に情熱を注ぎ、もがきながら前に進もうとする少年の姿を描いた、胸を打つ青春物語。ノーシードで決勝戦まで進んだ南陽学園。秋の大会の成績次第では、春の選抜も夢ではないと、学校中が盛り上がっていた。だが、部員たちは一時的な虚脱状態に陥り、練習にも身が入らない。そんな中、野球部マネージャーで校長の娘・利奈は、部員たちを再び奮い立たせようと奔走する。一方で、拓海にとって一年で最も憂鬱な日――誕生日が近づいていた。母は毎年、拓海の友人を招いて誕生日を祝ってくれるが、その日はいつも、偉大すぎる父の存在が一層重くのしかかり、自らの才能のなさを痛感させられる日でもあった。誕生日の食事中、父のサインを求めてファンの男が突然訪れる。父はいないと告げると、男は君のサインでもいいと言う。それを聞いた拓海が謙遜すると、母はきっぱりと告げた――。それが“野球の神様”と呼ばれた津村陽一の息子としての務めなのよと。■目次■第1話 起てよ、青春第2話 父と子の条件第3話 アイドル第4話 驚異の9人第5話 野球少年A第6話 同窓会第7話 がんばって、キャプテン