一七世紀,日本で商業出版が始まった.人びとが本によって知を共有する〈書物の時代〉の到来である.今日まで続くこの大変革は,読書という営みを通して心を治め,家の存続を願い,世界と自己との関係性を問う,「思想主体」としての民衆を列島各地に生みだした.「書物の思想史」を提唱してきた近世史家の重要論考を集成.詳細