三池炭鉱は,近世の藩営による開坑から明治維新後の官営化,さらに三井財閥への払下げを経て,一九九七年の閉山に至るまで,日本の近現代史に独特の痕跡を刻んできた.資本主義の発展や戦後復興を支え,国策に左右されながら展開してきたその歴史的経験の全体像を,労働争議と地域社会のかかわりに注目しつつ通史的に描く.詳細