森園みるくと村崎百郎がタッグを組んだ、震撼のダークミステリー。話題の監督・刑部大吾が新作を発表した。なんとそれは“あの”忌まわしき〈薔薇卍事件〉を題材にした映画だった!プロデューサー・深大寺涼の企画により、天才脚本家・八屋が事件の核心に迫る脚本制作に挑む。しかし取材を重ねるうちに八屋の精神は次第に常軌を逸し、彼は奇妙な言葉を呟き始める。「俺は…何回目の“俺”なんだ?」〈薔薇卍事件〉。その犯人は西陣直人という14歳の少年だった。無差別に6人を殺害した冷酷なシリアルキラーに自らの身と心を重ねた結果、八屋はある“真理”にたどり着いたと言う。「薔薇は卍を夢みる」のだ――と。映画のキャスティング発表にひとりの老婆が舞台に乱入し、「この映画を作ってはならぬ」と警告を放つ。直後に届いたのは、八屋に関する衝撃の訃報。混乱の中、撮影は強行されるが、次第に俳優たちにも異変が現れはじめる。狂気に染まり、人格を変え、何かに憑かれたような言動を見せる出演者たち。物語は現実を侵食する。フィクションと狂気が交錯する先にある結末とは――。