腕貫さんもテレワーク!? 王道の安楽椅子探偵!旧友が妻殺しで逮捕された。被害者はかつての憧れの女性・ナナ。驚愕したおれは、記憶と感情の渦に突き動かされ「リモート相談窓口」に向かう――。日本推理作家協会賞(短編部門)に輝いた表題作「異分子の彼女」をはじめ、コロナ禍の櫃洗市で発生する奇怪な事件の謎を、公務員探偵がオンラインで鮮やかに解決。大人気ミステリシリーズ最新作、待望の文庫化!*文庫版第四巻『必然という名の偶然』の解説を書かれた法月綸太郎さんは櫃洗市を「人殺シティ」と呼んでいたが、言い得て妙である。本書でも、コロナ禍下であっても、櫃洗市はやはり人殺シティだ。それでもこの町が、なんだか魅力的に見えてしまう。きっと、そこに生きている人たちが魅力的だから、何より、腕貫さんがいるからだろう。どれだけ事件が起き、人が死んでも、腕貫さんがいる限り、この町で謎が謎のままで終わることはないのだ。――織守きょうや氏「解説」より