被爆による「体の障害」に比べて圧倒的に報告の少ない「心の傷」――癒えることのない傷は,一生放射能の恐怖に追いかけられるために生じる,きわめて重篤で特殊なPTSDだ.診察室の内外で,被爆者に長年向き合ってきた精神科医だからこそ発表できた数々の証言を紹介.これらを冷徹な目で分析した他にない労作.解説=栗原淑江.詳細