旅する魔女と、人々との絆。それは温かく、強く、優しい――魔女や魔法使いが存在するこの世界に、紅という名の魔女がいた。紅は祈りとともに小さな奇跡を起こし、永い命を少し削っては大きな魔法を使う。旅先で出会った母子を癒やし、夫を喪った妻の次の一歩への背中を押し、家出娘たちの門出に祝福を与え――その交流の中で紅も探すのだ。自らの「生きる意味」というものを。そしてまた、魔女は旅を続ける。傍らに「小さな奇跡」を携えて……。最後はきっと、泣いてしまう――ヒューマンドラマの俊英・沖田円が紡ぐ、最高に切なく温かい4つの感涙ストーリー!