砂漠の民サファール族、その長の嫡男であるマリク。彼は“遠見の力”を持つ少女ミリアムや一族と共に、平和な日々を過ごしていた。しかし、クーデターを起こしたザキロフ将校と国王軍の内戦に巻き込まれ故郷を失ってしまう。一人生き残ったマリクは、ザキロフによる新政権の下で働いている叔父ウマールと再会し、ミリアムが生きていることを告げられた。そしてウマールの下に身を寄せたが、破壊工作や暗殺をはじめとする特殊訓練を叩き込まれることになる……。
砂塵が舞うラビア連邦で繰り広げられるネオファンタジー大河ロマン『ラビア戦記』第1弾。電子版あとがきを追加収録。
●日野鏡子(ひの・きょうこ)
1966年生まれ。東京都北区赤羽で育つ。豊島岡女子学園卒。東洋大学文学部印度哲学科在学中にSF誌からデビュー。以降ライトノベル中心に多数上梓。代表作『エルンスター物語』『桜の國の物語』など。こよなく愛するもの・猫猫猫自由ネコネコ。