貴族専用の寄宿学校に通うこととなった、貧乏男爵家の次男ルカ。彼はひょんなことから、同学年のワガママ第三王子のために香りに睡眠を促す効果のある植物『ネムリバナ』を育てる任務を命じられる。入学の日、ルカは自分と同じくその花に関わる任務を受けた同室のアリと出会い、彼が幼い頃王宮で一度会ったことのある不眠症の少年だと気づく。かつてと変わらず睡眠障害に悩まされているアリを見かねて、ルカは献身的に彼を支えるようになる。しかし、次第に眠れるようになったアリはめきめきと頭角を表し、名門侯爵家の後継として申し分ない存在になっていく。一方、アリに惹かれていることを自覚しながらも、平凡な自分との格差に打ちのめされたルカは、彼と距離を取ると決断してしまい── ※電子版は単行本をもとに編集しています