お七の祖父が営む「くじゃく屋」は美しい石を使った小間物で密かな人気を集めてきた。だが祖父の死後、借金が発覚。取り立てにきたのは仇敵の大店・甲州屋で、返済できなければ妾になれという。八方塞ふさがりのお七に手を差し伸べたのは「遊び人の金さん」と呼ばれる美丈夫の浪人だった。知識を活かし、西洋渡りの石を探しているという金さんの手助けをすることになるお七だが――。心あたたまる人情時代小説。詳細