森園みるく×村崎百郎が描く、狂気と美が絡み合う危ういエレガンス・サスペンス。旧華族の名門に生まれ、T大を卒業し、将来有望なエリート官僚を夫に持つ西園寺華子。その完璧すぎる存在に、人々は畏敬を込めて「女神」と呼ぶ。 一方、高級エステクラブ「オリンポス」で働く松崎綾乃。まだ経験も浅いが、なぜか華子の目に留まり、ある日突然食事に誘われる。憧れの存在からの誘いに舞い上がる綾乃だったが、それは“女神の遊戯”の始まりだった。「恋人はいるの?」――何気ない問いかけの裏に仕掛けられた罠。綾乃の部屋に仕込まれた盗聴器。その微笑の奥で、華子はいったい何を見つめているのか?人の心を弄び、愛という名の支配を愉しむ女神。その気まぐれな戯れの果てに、綾乃を待つのは甘美な夢か、それとも――。■目次■女神の憂鬱女神の悪戯女神の欲望