作家は廃れゆき失われつつある土地の記憶をたどろうとしたーー。
文豪・永井荷風が言葉で紡いだ江戸東京の風景を丹念に紐解くと、何が見えてくるのだろう。作家の言葉と実際の場所を結びつけ、過ぎ去った時代の都市の姿の痕跡を探し、荷風の愛した風景を追いかける。
本書は「地形を歩む」「水辺散策」「都会生活」の3部にわけ、小石川金富町三十二番地(現・文京区春日二丁目)の生家から、孤高の砦であった自邸・偏奇館まで、永井荷風の人生と作品の現場を読み解いていく。
荷風の歩き見た景色が目の前にあらわれ、作家が作品に遺した目まぐるしく変わりゆく時代を追体験する。年譜・荷風関連地図・図版40点以上を掲載!
荷風とともに江戸東京の風景を探すためのガイドブック!
【荷風が言葉で紡ぐ江戸東京の風景は、私たち現代の読者に過ぎ去った時代の都市の姿を伝えてくれる。登場人物の感情と物語の情景が織りなす世界は、読む者を心地良いひと時へと誘うだろう。本書はその道しるべである。】