あの日と同じ――胸の痛みも、あなたへの想いも。
ケイティは聞き覚えのある男性の声に身をこわばらせた。銀行勤めだったジェイゴが、こんなところにいるはずがない。だが、怪我をして運ばれた病院で意識を取り戻したとき、目の前にいた医師は、見紛うことなく元恋人のジェイゴだった。理由も言わず、忽然と去った男だ。しかもそのあとケイティは、階段から足を踏み外して、彼の子を流産していた。あれから11年。いまなお、ジェイゴは魅力的だ。そして皮肉な運命のめぐり合わせに、ケイティは茫然とした。2週間後から、彼女はこの病院で働くことになっているのだ。
*本書は、ハーレクイン文庫から既に配信されている作品のハーレクインSP文庫版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。