戦争中、弘一への想いを秘めたまま出征を見送った清子。だが戦後復員した彼は、まるで人が違うほど一変していた――。戦争の傷跡への苦悩と、戦後の混乱の中で生まれた人間の欲望……。人間ドラマとして見事に描いた傑作長編。「有吉の筆が果敢に踏み込んだのは、戦争の、いや、人間というものの恐ろしさなのだ――木内 昇」(「解説」より)詳細