企業の立ち上げや規模拡大に際して、ベンチャーキャピタル(VC)が果たす役割は大きい。実際、過去50年間で設立された米国の大企業のうち、VCの支援がなければ存在しなかった企業、あるいは現在の規模に達しなかった企業は4分の3に及ぶと、筆者らは試算している。ではなぜ、VCは成功を収めるスタートアップを見つけるのが得意なのか。実績やネットワークを持つ大企業にはない、どのようなスキルがあるのか。本書では、筆者らが「ベンチャーマインドセット」と呼ぶVCの意思決定の特徴を紹介し、既存企業がイノベーションを促進するための指針を提示する。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2024年11月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。