長旅を終えたアドリアンは、傷つきながらも枢機卿の死の謎を解く重要な証言を得て、サラ村に戻ってきた。一方、ヴァルスネリアが吐いた呪いの言葉に悩み抜いて、ビアンカが倒れてしまう。このままでは衰弱死はまぬがれない。その姿を見てピエモスは、モライシュは、そしてアドリアンはいかにこの娘を愛していたかを改めて知る。やがてビアンカは朦朧とした意識のなか、ある人物の姿を見る……。
悲しき死者の魂の訴えを聞く『聴罪師アドリアン』シリーズ、第13弾。電子オリジナルとなる短編集。
*死の呪縛
*独白――外伝・かまどの死者
*雫
*巡り会う時
*宮宰ポワソンの危険な賭け
●吉田縁(よしだ・ゆかり)
名古屋市在住、みずがめ座、O型。1995年下期のコバルトノベル大賞佳作を受賞しデビュー。主に、西洋中世をモデルとした架空ファンタジーを執筆。代表作は『聴罪師アドリアン』シリーズ。趣味は手芸、多肉植物。