「ずーっときついのは勘弁だから」……気さくな紳士が面映ゆそうに笑う。その言葉が、きっかけだった。エステル・ランベール――元、令嬢。無気力だがプライドの高さから、叔母の紹介で始めたカフェの仕事もうまくやれない。誇る家も、やる気も、なにもない。しかしある日、なぜか店の常連であるリシャールと昼食をとることに。そこで前を向き始めたエステルは、真摯に仕事に打ち込むように。その姿に取り巻く環境も徐々に変わっていく。気つけばリシャールへの思いも募っていたけれど……(……とても、私が隣に立つなんて)再出発した新米レディと朗らかな紳士。ゆっくり交わる恋の行方は――?
