大ヒット作『二人一組になってください』、『神に愛されていた』……ベストセラー作家・木爾チレンのデビュー15周年記念作品!愛を失くした女子たちの、性と生についての痛切な短編集。苦しくも美しい、哀と狂気を召し上がれ。水のように無味無臭で掴めない男との日々「水みたいな人」、明けない夜、名前も知らない恋人との関係に耽る「ジンジャーエールに似ている」、私の体に飽きてきた彼氏に感じる切なさ「ぬるいラムネ」、死んだ夫の骨を飲む妻の物語「骨を飲む」……など、全7話収録。デビュー当時から現在へと繋がる、小説家・木爾チレンの軌跡を感じる珠玉の作品たち。愛を手に入れた時の高揚感、そして愛を手放した時の喪失感、哀しみを飲み込む辛さなど、本書には恋愛が持つ美しさと苦悩と痛みが、瑞々しく描かれている。これは、木爾チレンが描く「究極の愛と狂気」。人生のほんのひとときくらいは、哀しみを味わうのも悪くない。――飲み込んだ哀しみは、いつかあなたを生かす血肉になる。【著者・木爾チレンさんからのメッセージ】何かを失った哀しみというのは、飲み込んだところですぐに消えるわけじゃない。けれど、いつかは体のなかから出ていく。だから、人生のほんのひとときくらいは、哀しみを味わうのも悪くないのかもしれない。そんなことを考えながら、この短編集を編みました。この本が、誰かにとっての「生きる薬」になることを願っています。 ----木爾チレン

