10才で両親を失った真理は、伊豆で温泉旅館を営む叔母に引き取られ、旅館の仲居として叔母の手伝いをしていた。将来旅館を継ぐことになっていたが、叔母の死により旅館が売られ閉館することが決まった。失意の中、最後のお客様を見送った真理は、ひょんなことから仲居の着物姿のまま温泉が湧く異世界へ転移してしまう。
真理はそこで高級温泉ホテル『アクア』の若き経営者、リチャード伯爵と出会う。はじめは隣国のスパイかと疑われたが、温泉で倒れた年老いた公爵の命を真理が助けたのをきっかけに、働かせてもらえることになった。アクアは経営が厳しかったが、温泉に詳しい真理の斬新なアイデアにより、客が増え、真理はアクアの経営についてリチャードから意見をもとめられるようになっていった。そうしていつしか二人は惹かれ合うようになり――。
温泉オタクの真理と温泉ホテルオーナー、リチャードとのちょっぴり切ない身分違いの恋物語。

