婚礼の輿が一つ,赤に染まる高粱畑の道を往く.輿に揺られる美しい纏足の少女.汗に濡れ輿を担ぐ逞しい青年.ただならぬ予感が,ゆらめく炎のように二人の行く手を照らす.山東省高密県東北郷.日本軍が蛮行を尽くすこの地で,血と土,酒に彩られた凄烈な物語が始まる.ノーベル文学賞受賞者の代表作.全二冊.詳細