プレゼンテーションの目的は、「上手に話すこと」ではありません。相手を納得させ、行動や意思決定につなげることにあります。どれほど分かりやすく説明しても、どれほど美しいスライドを作っても、相手が「自分ごと」として受け取らなければ、提案は通りません。本書が目指すのは、「伝える」から「動かす」へとプレゼンを進化させること。そのために必要なのは、話し方のテクニックよりも、まず「相手を深く理解する力」です。本書では、相手の困りごとや本音をどう読み取り、それをどう提案へと組み立てていくのか、「提案型プレゼンテーション」の思考と実践を、豊富な事例とともに体系的に解説します。著者は、2011年よりプレゼンテーション専門コンサルタントとして活動。現在は年間およそ300日、企業研修や公開講座で登壇し、旭化成、TOTO、川崎重工業、NTT西日本など、数多くの企業で実践指導を行ってきました。机上の空論ではなく、現場で「実際に成果が出てきた方法」だけをまとめた一冊です。本書を読むことで、次のような力が身につきます。・相手の課題とニーズを構造的に把握する分析力・説得ではなく納得を生むストーリー構築法・契約や意思決定につながる提案設計の技術・意見の食い違いを整理し、対話を前に進める交渉力・組織を動かすための巻き込み方近年、生成AIの進化により、資料作成や構成案は、誰もが簡単につくれる時代になりました。しかし、だからこそ重要になるのが、「何を」「なぜ」「誰のために」伝えるのかという、人にしかできない思考の部分です。AIは便利な道具であって、考える主体になるものではありません。本書は、AIを使いこなしながらも、思考力と提案力を磨き、「代替されない存在」になるための指針も示しています。営業、企画、広報、コンサルタント、管理職──社外への提案はもちろん、社内調整や報告、説得の場面においても、プレゼン能力は、あらゆるビジネスの成果を左右します。プレゼンテーションを、単なる「発表」から、価値を届け、結果を生み出す技術へ。あなたの提案を、次のステージへ引き上げる一冊です。

