「君が俺の妻になってくれるなら、援助を約束する。ただし君には祖母の前で、夫を慕う妻のふりをしてもらいたい。それが条件だ」白い結婚のまま夫を亡くし、出戻ったクロームリー伯爵家で刺繍の内職をして兄を支えるシンシア。浪費家の兄、ヴィンセントの賭博を止めるため王国最大の賭博場クロウキャッスルへ乗り込むが、莫大な借金を負ったヴィンセントは、あろうことか妹であるシンシアをルーレットの賭け代にしてしまう。勝負に勝ち、シンシアを手に入れたのは、仮面で素顔を隠す謎めいた青年セイドリックだった。身の行く末に怯える彼女に、彼が持ちかけたのは意外にも契約結婚。再び見せかけの結婚をすることに複雑な思いを抱くシンシアだが、セイドリックの条件を受け入れ、契約結婚を決意する。賭けから始まった契約結婚の行方は——?
