企業によるイノベーションは、経済的・社会的に大きな恩恵をもたらしてきた。一方で、そのような革新的な取り組みには、無視できないさまざまなコストが伴うことも事実だ。現代社会のネットワークは複雑に絡み合っているため、ある場所ではイノベーションの利益を享受できたとしても、別のところでは予想外の悪影響を被る可能性がある。筆者らは、負の影響を回避しながら、変革を起こして「厄介な問題」を解決するうえで、システム思考は極めて有効なアプローチだと主張する。本書では、イノベーションの方法論として著名なブレークスルー思考やデザイン思考との比較を通して、システム思考の長所を明らかにし、その手法を合理的に活用するための4つのステップを紹介する。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2026年1月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。

