政治はいかにイメージを纏うのか?
テクノロジーが答えを書き換え続けるいま、デザインの新たな座標を示す。
政治はイメージで動いている。選挙ポスターからロゴ、SNSのミーム、バイラル動画まで──。
今日の政治的コミュニケーションは、視覚的なイメージの生産・流通・消費によって成立しています。しかし、その渦中にいるはずのデザイナーたちは、イメージが溢れる“メディア”の正体を直視することができていません。デザイン制作物を介さないインタラクション、アルゴリズムによる増幅、ディープフェイク、AI支援の宣伝工作──それらはいつしか、政治が営まれる日常の一部と化しました。著者がこの制御不能な情報環境に与えた名前は、「スーパーストーム」。政治コミュニケーションとニューメディアテクノロジーが絡み合うことで生まれた、誰も予測できない速度と規模で拡大し続けるイメージの嵐です。
本書は、1960年代から現在に至るまでの政治、社会、メディア、テクノロジー、そしてデザインの関係を横断的かつ批判的に読み解きます。オバマ、トランプ、ブレグジット、イタリア極右のSNS活用、コロナ禍で一変した選挙のネット戦略など、具体的な事例を通じて政治的ビジュアル文化の60年を解剖します。嵐に名前をつけ、集団的に語ること──それが、嵐のなか航行するための一つの方法であるはずだ、と。
2024年に英語版(Onomatopee)、2026年にイタリア語版(Krisis Publishing)が刊行され、世界的に注目を集める待望の日本語版。デザイン・メディア・政治に関わるすべての人に手に取ってほしい一冊です。

