再読し続けて良さが伝わってくる
病ではなく気質として定義される『HSP=繊細な人』。
そういう事象に疎い私でも、本書を一読後では、
生き辛い思いをしながら日々生きている人の姿が、
くっきりと浮かび上がってきました。
そして、もしかして自分にも、
該当する気質を多少は持っているのかも、なんてことも思いました。
多くの人々がそういう気質にとらわれずに
(構わずに、気にせずに)生活を送っているのに、
繊細な主人公雪長は、あれこれと気に病まずにはいられない自分を、
深海の底のゴミのようだと感じている。
正反対な性質を持つ空を飛ぶ鳥のような鉄臣と知り合って、
諸々の経緯をたどりながら、
雪長が長年抱えていた苦しみから解放されていくシーンには、
心打たれるものがありました。
そこが物語の中核部分であることは間違いがないと思うのですが、
作者様が真面目に取り組んで、
作り上げた本だということを理解しつつも、
エンタメとしてのBLとするなら、
読者の心をキュンとさせてくれる、
『あともう少し』が欲しかったかも。