濃そうで薄い、浅そうで深い不思議な感覚
面白かったけど、あの時間は何だったの感もあり
でもそれが個人的には好き。
優等生の紫とデザイナーを目指すジョージのラブストーリーが主軸なんだと思うけど
関係性が変わっていく過程と登場人物達の成長の物語かな。
ジョージの恋愛対象は紫ではなく
後半からライバルというか友人として登場したカオリだったように思えた。
ジョージの宝物の様な作品を美しく表現できる紫が必要だったから恋愛に持って行って傍に置いておきたかったのかなって。
カオリとの関係を疑った紫にジョージは
カオリとはやってない、簡単に俺と寝るような女じゃない(紫を含めた他の女たちとは違うんだ、みたいな)、すげーカッコいいヤツみたいな事を言ってて、紫的には浮気してくれた方がまだ楽だったと思う。
あんな風に言われたらカオリが誰より一番スペシャルな女性で
実は自分は女として愛されてるわけじゃないと知ってしまったんじゃないだろうか。
読んでる側からしても一度も紫に恋してると思えたことがなかったし、カオリとの会話で本命はそっちかってなったし。
そしてヒロ君も結局ずっと美和子に未練タラタラ(あれ多分本音)、紫もジョージへの想いを残したまま。
ジョージとカオリの不毛な両想いは成就したのか気になる・・
あと、ジョージがあの宝物たちを全て紫に託したのは、もう必要がなくなった(紫しか着こなせない)というか
新しい作品を生みだせる力もつけてデザイナーとして大成功したんだろうなと解釈しました。
恋愛ターンはモヤモヤするけどNANAもこういう感じの表現があったから、この切なさが醍醐味なのかもしれない。